映画「復讐のガンマン・ジャンゴ」ステファン流”ジャンゴ”がトリッキーなガンプレイで殺りまくり!初DVD化の隠れた名作マカロニウエスタン。
お薦め度☆☆☆☆4
遂にアンソニー・ステファンの未DVD化作品「復讐のガンマン・ジャンゴ」が”マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション”第26号に収録されました。昨年末にBSでの放送もありましたが、見逃してた方はこの機会に是非。
「復讐のガンマン・ジャンゴ」って、他のマカロニと間違えそうな紛らわしいタイトルなんとかならかったのか……。でも、中身は一度観たら忘れられないユニークな作品なのでご心配なく。トリッキーなガンプレイを堪能したい方は心ゆくまで満足できることでしょう。
今回のDVDマガジン、併録の「荒野のお尋ね者」も傑作なのでお薦め。
以下、感想。
アンソニー・ステファン主演のマカロニウエスタン。
留守中に妻を盗賊一味に殺されたガンマン・ジャンゴは復讐のため仇を探し旅していた。仇の手掛かりを知る男カランザを私刑から救ったジャンゴは彼から聞き出した情報を基に商人のトンプソン、軍のゴメス少佐と接触を図るが……。
マカロニ最多出演俳優として有名なアンソニー・ステファンだが、その分詰まらないマカロニにもたくさん出演しており、ステファン出演作というだけで身構えてしまう。これまでDVD化されてこなかった本作も詰まらなかったからこその”お蔵入り”だったのではと邪推していたが……案に相違して見事な”佳作”だった。なるほど、一部で隠れた名作と呼ばれてるのも納得。ステファン先生出演作の中では「皆殺しのガンファイター」と並ぶ出来かも。
ストーリーはよくあるマカロニの基本プロット通り、キャラクターも普通……なのだが、本作にはそれらの普通さを補って余りある奇抜で魅力的なガンプレイが満載。序盤から次々と投入されていく奇抜なトリックプレイの連打にニヤニヤが止まらない。マカロニファンならこれだけで十分お腹一杯になれるレベルでこれでもかと面白ネタをぶち込んでくるので観るならそれなりの覚悟が必要だろう。ベッドの上の標的をベッドごと馬で引き摺り回すシーンなんてもう大爆笑必至。
一方、冒頭で主人公が相手の投げつけてきたダイナマイトを悠々と拾い上げ短くなった導線にダメ押しで煙草の火を押し付けてから相手に投げ返す余裕の演技は最高にクール。このふてぶてしさ、まさにマカロニ主人公。目が点になるような奇策を思い付いてしまうのもマカロニ主人公らしいと言えばらしいのかもしれない……。
最後のどんでん返しは「おい、どこに伏線あった?」ってツッコみたくなるが、この大味さもマカロニウエスタン。発端の”悲劇”のシーンでは視聴者に悪党たちの正体が割れないよう顔が陰に隠れて映らない気を遣った繊細な演出をしてたのになあ……なんて細かいことは、面白ガンプレイを散々見せつけられた後だとどうでもよくなってしまうから不思議。
ガンプレイ目当てで観て損はない作品。面白いガンプレイを楽しみたい方は必見。
ガンプレイシーンダイジェスト。こうして見ると結構殺してるなあ。
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